分かりやすい!介護医療院が創設された背景を解説

介護、医療業界で働いていても、意外と他の事業所タイプは知らない…という方が多いようです。特に、介護医療院は比較的新しい施設なので、認知度はそれほど高くないようです。
介護医療院は、2017年度に廃止が決定した「介護療養型医療施設」のおもな転換先として誕生した、要介護者向けの介護施設です。既存の介護療養型医療施設は、2024年3月までは移行期間として存在しています。
始まりは1993年にさかのぼります。当時は、病院に長い期間入院する高齢患者の中で、家族による介護が難しいために、やむなしとして入っている状態、通称「社会的入院」が問題とされていました。本来は治療する必要のない人を入院させていたため、医療費の増大、救急患者を受け入れられないといった問題が出てきました。社会的入院をなくすために、療養型病床群が1993年に創設されました。ただし介護はメインではありませんでした。当時はまだ介護保険が存在していないので、医療分野で補っていたのです。2000年に介護保険制度がスタートし、介護療養型医療施設が創られ、療養型病床群は再編されていきます。この時、医療の必要性に応じ、医療療養病床と介護療養病床に分けられました。しかし、実際には両者に大きな違いはありませんでしたので、医療と介護を区分する方針が決定。介護療養病床は廃止されます。2006年に介護療養型老健を創設し、介護療養病床からの転換を進めていましたが、うまく転換できませんでした。そして、その次の受け皿として創設されたのが、介護医療院なのです。2018年に創設され、今後、全国で数が増えていくと思われます。